津田沼。

THE SHAMPOO HAT 「津田沼」 下北沢スズナリ。作・演出:赤堀雅秋

今まで見た中で一番、判りやすいメッセージだったとも言える芝居でした。肉屋の息子を見て何とも言えない気分になったのと同じ何かがあったは…あったけど。雨が来る…アメリカ…みかん…肉屋の息子…そして津田沼

赤堀雅秋というひとのメッセージ…それでも人生は素晴らしいということ。それでも、人生はやっぱり素晴らしい。ブラジャー付けた隣人がいても、そんな人生の団地から抜け出せなくても。それでも人生は…素晴らしい…。

まあ…何はともあれですね、10年…おめでとうございます。何にせよ、続くってことは素晴らしい。赤堀さん、頑張ってシャンプーを続けて下さい。でも、これ津田沼出身の人が見たら怒るよ…たぶん。

ついでに、ちょっと書くと…赤堀さんの脚本の個性は「不完全性」にあるんじゃないかな、と思う。完璧な脚本やストーリィではない何かの欠落。それが故意なのか欠点なのかは判らないけど、個性であることは個性ではある。その不完全性はどこかやるせない気分にも繋がるし…見終わった後の虚無感にも繋がる。見たなら、見たと…何かを自分は見たのだ!と…思うべきだとも思うし、そんなのは必要ないとも思う。でも、それでも人生は素晴らしいし…ある意味バカらしくもある。小さな家の障子の向こうの、果てしない自由は…掴めるようで、到底無理で、でも…それも人生ではある。