休暇かも。

カカシの夏休み (文春文庫)

カカシの夏休み (文春文庫)

早く夏休みになりたくて(??)こんな本を読みました。しかし、中身はまるで夏休みではなかった。まあこの方のご本で夏休み気分を味わうのはもともと無茶というものですが・・・いつも通り「ほんのちょっとの希望」というのがちゃんとあって、上手だなあと思います。そのほんのちょっとした希望は、状況にあるのではなく・・・いつも「自分の中にある」という感じの希望で、そういうのも読む人たちに「そんなうまくいかねえよ」とか「けっきょく小説じゃん」とか・・・逆に「けっきょく人生なんて良いこと無いのね」とも思わせないギリギリのさじ加減だと思います。仕事に悩んでも、リストラされても、ハゲても・・・突然の不運に見舞われても・・・それでも人生は「完全に捨てたもんじゃない」というくらいの、メッセージ。

ずっと黙っていたカズがバトミントンラケットで反撃した時になんだかほっとした…かな。マズいでかな?・・・いや・・・でもこれはきっと本当です。「辛いなら、つらいと・・・言ってしまえよ!!」とか思う。

自分はこういうのが好きなのかな・・・いやいや、重松清は好きじゃないです。たまには読むけど、もういいや・・・と読むたび思う。でも、いい本であることは間違いないです。ナイフとかエイジよりも救いの部分は大きいと思います。ライオン先生も・・・本当はこんな話ですよ。